作品 2

ぼろぼろの駝鳥
何が面白くて駝鳥を飼ふのだ 動物園の四畳半のぬかるみの中では 脚が大股すぎるぢやないか
頸があんまり長過ぎるぢやないか 雪の降る国にこれでは羽がぼろぼろ過ぎぢやないか
腹がへるから堅パンも食うだらうが 駝鳥の眼は遠くばかり見てゐるぢやないか
身も世もない様に燃えてゐるぢやないか 瑠璃色の風が今にも吹いて来るのを待ちかまえてゐるぢやないか
あの小さな素朴な頭が無辺代の夢で逆まいてゐえうぢやないか これはもう駝鳥ぢやないぢやないか
人間よ もう止せ こんな事は(高村光太郎の詩)

風に吹かれる葦のやうに 私の心は弱弱しくいつも恐れにふるへてゐる 女よ 

おまへの美しい精悍の右腕(萩原朔太郎)

音楽を愛する人を僕は信じます(高木東六の言葉)

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